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決算書を読んでみる(12)松戸市立総合医療センター 財務諸表 財務分析

決算書を読んでみる(12)松戸市立総合医療センター 財務諸表 財務分析

総務省 病院事業決算状況・病院経営分析比較表より

またまたご縁のあるまち松戸市の病院です。千葉大学予防医学センターで松戸プロジェクトの立ち上げをしていました。松戸プロジェクト – JAGESプロジェクト

松戸の市立病院は総合医療センターと福祉医療センター東松戸病院の2病院があります。

小児科が非常に強い病院ですが、近くに新東京病院、千葉西総合病院などの急性期医療の競合病院があります。

救急告示病院、臨床研修病院、がん診療拠点病院、感染症指定医療機関、災害拠点病院、地域医療支援病院です。

病床数は一般592床感染症8床の病院です。病床稼働立は82.1%、平均在院日数12.1日です。

損益計算書

医業収益175億円に対し経常費用215億円。医業外収益20億円で経常利益ー19億円の赤字になっています。

医業外費用が13億と高めです。

貸借対照表

例にもれず市立の2病院の合計値のようです。

流動資産63億に対して流動負債39億と流動比率162%で100%を超えており、ある程度短期的には安全な経営が実施されています。

資本合計(自己資本)は119億、負債資本の合計416億円なので自己資本比率は29%とある程度のバランスはとれているようです。


その他計算指標

医業収益対経常利益率 -11%
医業収益対材料費率 26%
医業収益対人件費率 57%
材料費率と人件費率で81%ともう少し低くしたいところです。委託料8.1%ですが、前年は11.5%であり、おそらく経営努力中なのだと思われます。
赤字額が大きいですが、これまでの他の医療機関の数値を見てみると、病院を評価する際は最終的な赤字額だけでは判断できず、他会計補助金・負担金などの医業外収益の多寡や、種々の収支のバランスで見ていく必要があるかと思います。
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