少子高齢化社会の中で、人で不足が深刻化する中、組織の雇用に対するスタンスがこの先の成長や存続の大きな鍵となっています。ここで紹介したいのがこちらの動画。DLEという、官公庁などでも採用する啓発を手がける企業が作った動画です。
組織の管理職にいる方、将来管理職になるような方にとってはこの動画をご覧いただければ、今後どのように組織の魅力を高めて行くべきか、いち職員だけど自分の勤め先が従業員の事をどう扱っているか見極めたいと思っている方などにとっては、雇用先との付き合い方について示唆を得られるのでは無いかと思います。
【マネジメント】まだ社員を仲間だと思ってるの?【見るだけで、一歩前へ進めるシリーズ】 – YouTube
Contents
【マネジメント】「組織が職員を雇用する」時代から「職員が勤務先を”雇用する”」時代へ 組織の魅力を高めなければこの先生き残れない【Youtube解説】
動画の概要
・これまでの日本社会は社員=家族のような関係で、終身雇用のもと苦楽をともにする関係で、従業員の労働の対価に会社が賃金を支払うという雇用主主体の関係ででした。
・しかし、これからの社会では、中途採用や転職が当たり前となり、会社の賃金等を対価に従業員が労働を提供するという従業員主体の関係に移っています。
・動画の中では社員が’労働’というお金で会社で売っている’賃金’を買いに来ている、お客さんの様な関係だと説明されています。
・お客さんがお店の雰囲気や対応が悪いとそこから品物を買わないのと同様に、社員は会社から簡単に離れていきます。
・逆に、働かない人は、お店でただで品物を持って行こうとすると泥棒であるように、会社側が賃金をいう品物を売らないという選択もされうるでしょう。
雇用先として選ばれるための要素は賃金だけではない
下のように、賃金は、雇用先をえらぶに際しての一つの要素でしかありません。組織の魅力を全体的に高めて行く事が求められています。
企業選びのこだわり度合い
- 1位 社風・人
- 2位 仕事内容
- 3位 給与・待遇
出典「就職意識調査2020」株式会社ディスコ
働き続けてもらえることがコスト削減につながる
魅力が低い組織で、人の入れ替わりが激しい様な組織では、実は多大なコストがかかっています。
下は新卒者1人当りの採用コストです。中途採用では、更に高額のコストがかかってきます。
なるべく長く働き続けてもらう事が組織にとっての利益にもつながります。
新卒者1人当りの採用コスト
- 300人未満 65.2万円
- 300-999人 80.2万円
- 1000ー4999人 72.9万円
- 5000人以上 59.9万円
出典「就職白書2019」リクルート
今後は組織のファンになってもらう事が重要
お互い甘え合う様な関係では無く、今後は組織の魅力を高めて行く事が重要。
組織も従業員が組織のファンになってもらう様な工夫をしていくことが重要になっていきます。
動画の解釈
組織の魅力向上にもジョブ理論の活用ができる?
私はこの動画を視聴して、イノベーションに関する書籍であるクリステンセン著のジョブ理論に通じる考え方だと思いました。すなわち従業員は、この本でいうこところの「片付けるべきジョブ」である、日々の生活の糧である賃金を得ることができ、生活になじんでおり、自分のやる気や自己実現を満たせる様な勤務先を’雇用する’という関係です。
すなわち、表題で書いたとおり「組織が職員を雇用する」時代から「職員が勤務先を”雇用する”」時代に変わってきているのではないか、という事を考えました。
従業員がどのような片付けるべきジョブを持っているのか、経営層は関心をもって組織を運営していくことが重要であるように思いました。こうしたイノベーション理論も活用しながら、組織の魅力を高めて行く事が重要ではないでしょうか?