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赤ワインおよびポリフェノールの健康への影響は?どんな飲み方がおすすめ?摂り過ぎはよくない?気を付けるべき事は?

本記事をご覧いただきたい方は

  • 赤ワインやポリフェノールの健康への影響はどんなことが言われているのか知りたい方
  • どのような飲み方がおすすめか知りたい方
  • 飲むに際して気を付けるべき事を知りたい方

を対象としています。

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赤ワインおよびポリフェノールの健康への影響は?どんな飲み方がおすすめ?摂り過ぎはよくない?気を付けるべき事は?

赤ワインやポリフェノールがなんとなく健康によいとはいうけれど、具体的にどのような利点があるのか知らない方も多いのではないでしょうか。

いくつかの論文をもとに紹介したいと思います。

赤ワインやポリフェノールの健康への影響

赤ワインやポリフェノールには以下の様な健康上の効果があることが報告されています。

  • 抗酸化作用、心血管の保護作用
  • 腸内細菌叢の調節作用
  • 脳卒中、心筋梗塞、糖尿病のリスクの低下、脂質、血管内皮依存性血流及び血圧、インスリン抵抗性、全身性炎症の改善
  • アスリートの運動パフォーマンスの向上

抗酸化作用、心血管の保護作用

20年以上前から、疫学研究により、ワイン、特に赤ワインと心臓の冠動脈疾患(心筋梗塞や狭心症)の死亡や罹患率を減少させることが示唆されてきました。

フランスはバターや肉を使った料理が多いにもかかわらず、意外にも心筋梗塞のような心臓病による死亡率はヨーロッパ諸国の先進国中最低です。厚生労働省:心疾患ー脳血管疾患死亡統計の概況 人口動態統計特殊報告 (mhlw.go.jp)この現象は「フレンチパラドックス」とよばれており、この原因の一つが、ワイン摂取量の多さではないかと考えられてきました。

赤ワインの原料となる黒葡萄には心血管保護作用があると報告されており、特に皮に含まれるレスベラトロールや種に含まれるプロアントシアニジンには抗酸化作用があり、心血管ストレスを減らしたり、例え心筋梗塞を起こしても、心筋虚血再灌流障害を減らすのに有効であるという報告があります。Cardioprotection of red wine: role of polyphenolic antioxidants – PubMed (nih.gov)

再灌流障害とは、血管が詰まって血流が滞ったあと、血流が再開した時に急激に組織にダメージが起きる現象の事をいいます。心筋梗塞で突然亡くなる方の多くが、心筋梗塞後の心室頻拍や心室細動が原因ですが(現場でのAED使用はその対策の決め手)、再灌流したときにこれらの不整脈が起きやすいです。循環器内科では再灌流障害をいかに押さえるかは非常に重要であると認識されています。

腸内細菌叢の調整作用

赤ワインに含まれるポリフェノールは腸内細菌叢に作用するという報告もされています。

腸内細菌の中でもラクトバチルス属およびビフィズス菌に属する細菌種は健康にとってよい影響があると知られており、プロバイオティクスとして、摂取が推奨され、皆さんもヨーグルト等から積極的に摂取されている方も多いのではないでしょうか。一方、クロストリジウム、ユーバクテリウムおよびバクテロイド種は健康にとって悪影響を与えることが知られています。抗生物質を飲んだ時など、腸内細菌の環境が崩れて、これらの悪影響を及ぼす菌が繁殖して下痢を起こしたり、場合によっては偽膜性腸炎(クロストリジウム・ディフィシルが主な原因菌)という重症の腸炎をおこす場合もあります。

ポリフェノールは健康上の利点を高めることができる有益な腸内細菌叢形成に貢献することが、複数の研究から報告されています。The effects of grape and red wine polyphenols on gut microbiota – A systematic review – PubMed (nih.gov)

私もワインに合わせて乳酸菌を飲むようにしています。

脳卒中、心筋梗塞、糖尿病リスクの低下、脂質、血管内皮依存性血流及び血圧、インスリン抵抗性、全身性炎症の改善

おそらく、赤ワイン等に含まれるポリフェノールの抗酸化作用と腸内細菌叢の調整作用に続発して、これらの有効な作用が得られるのではないかと報告されています。The role of polyphenols in modern nutrition – PubMed (nih.gov)

様々な疾患が炎症によりもたらされることが知られており、脳卒中や心筋梗塞の原因となる動脈硬化も、持続的な軽度の炎症(慢性炎症)が原因となることがわかっています。炎症はCRP(C reactive protein)という指標でみるのですが、これを高感度にした高感度CRPというマーカーの数値が高いほど、心血管疾患のリスクが高いこともわかっています。この慢性炎症の原因の一つが内臓脂肪や腸内細菌叢由来であることがわかっています。また、慢性炎症はインスリン抵抗性(インスリンの効果が十分発揮されなくなる)を高めてしまい、糖尿病のリスクを上げることが知られています。

このように、ポリフェノールの摂取は健康にとってよい効果があることが報告されています。しかしながら、ではどのくらいポリフェノールを取ったらよいか、と推奨量を示すというところまでは、引用した論文の範囲では根拠を持って結論づけられないようです。

アスリートの運動パフォーマンスの向上

意外なところでは、運動をする人にとってもポリフェノールはよい効果を与えて、パフォーマンスを向上されることも報告されています。

いくつかの研究を複合的に解析したところ(メタ解析という)、少なくとも7日間、一日688±478mgのポリフェノールを摂取したところ、1.9%のパフォーマンス向上が見られたとのことでした。特にケルセチン(葡萄の種に含まれている)では2.82%のパフォーマンスの向上があったと報告されています。Polyphenols and Performance: A Systematic Review and Meta-Analysis – PubMed (nih.gov)

運動する人にとってもよいのかもしれません。

赤ワインおすすめの摂取方法

赤ワインを日常的に摂るのに、おすすめの方法

  • 食事に合わせて
  • チーズに合わせて
  • デザートとともに
  • フルーツとともにサングリアに

食事に合わせて

そのままを食事に合わせて飲むというのがやはり基本となるでしょう。

食べ物と葡萄の品種にはある程度の相性があります。同じ葡萄の品種でも作り手等によって大分違うのですが、赤ワインと料理の相性についてすごく大雑把にいうと、

和食やあっさりした料理→ピノノワール、ジンファンデル(プリミティーボ)、サンジョベーゼ、マスカットベリーA

肉料理、煮込み料理やこってりした料理→カベルネソービニヨン、マルベック、ネッビオーロ、

胡椒などの利いた料理→シラー(ズ)、グルナッシュ

わりとどちらでも→ メルロー、モンテプルチアーノ、テンプラリーニョ

(個人の経験からのおすすめです。これが合う、こっちの方があう、という事があればコメントください)

また、料理酒として煮込み料理に加えるのもおすすめです。ワインで煮込んだ料理を同系統のワインと一緒に楽しむと、マリアージュしやすいです(相乗効果でおいしくなる)。

飲み残ったワインは冷凍庫の製氷機の容器にいれて、ワインキューブにしてしまいましょう。煮込み料理に使いやすくなります。

チーズに合わせて

やはりワインにチーズは外せないというところで、プロセスチーズでもよいですが、ナチュラルチーズにも挑戦したいところです。

チーズは好みが大分分かれると思います。

・くさいのが好きか、クセが少ないのが好きか

・固いのが好きか、柔らかいのが好きか

などによって篩い分けるのはいかがでしょうか?

くさい→ ヤギ乳、青カビ系、熟成系

クセが少ない→牛乳、白カビ系、フレッシュ系

固い→パルミジャーノレッジャーノ、ペコリーノロマーノ、チェダー、ラクレット、ハードエダムなど

柔らかい→カマンベール、ブリー、モッツァレラ、リコッタ、マスカルポーネ

自分はくさいの苦手でもっぱらブリーチーズを食べています。

おすすめの食べ方として、

 ブリー×コムハニー

 ブリー×粗挽き胡椒

 ブリー×トリュフオイル

どれもワインが進みます。

デザートとともに

デザートに合わせて食べるのもよいです。

バニラ系のデザートには、樽香が豊かなワインを合わせるのもよいです(ドミニクローランさんとか)。

チョコレートなら’タナ’という葡萄の品種を合わせるのもよいです。

フルーツとともにサングリアに

お酒があまり強く無い方は、フルーツをつけ込んで、ソーダやオレンジジュース等で割ってサングリアにするのもおすすめです。

ベリー系や柑橘系との相性がよいですが、リンゴ、キウイフルーツ、パインやモモなどもいけます。安上がりにしたい場合はミックスフルーツのシロップ漬けを使ってしまっても良いと思います。

飲む際に気を付けるべき事

ワインはお酒で、アルコール度数も比較的高いので、飲み過ぎにはやはり注意しなければなりません。

アルコールには肝臓へのダメージ(肝硬変や肝がん)、脳卒中などの脳血管疾患のリスク、高血圧、心肥大、食道がんや不眠など、摂取量を超過すると健康へのリスクが高まります。

適度な飲酒量は、一日当り純アルコールで20gと言われています。また、男性で40g、女性で20g以上で生活習慣病リスクが高まります。

アルコール20gというと、アルコール度数5%で400mlくらい、10%で200mlですから、ワインのアルコール度数を12-15%とすると130~160mlくらい。

グラスの大きさを注ぐ量にもよりますが一日当りワイングラス1~2杯、にとどめておいた方がよさそうです。

ワイン1本を1週間かけて楽しむのがほどよい楽しみ方かもしれませんね。

終わりに

以上、赤ワインおよびポリフェノールの健康への影響、おすすめの飲み方、適切な飲酒について述べさせていただきました。

ワインは食文化の一つでもあります。健康に気を付けながら楽しんでいきたいですね。

もしワインを趣味としてはじめてみたという方は、こちらの記事↓を参考にしてください。

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